僕にとっての2021年とミャンマーのクーデター。

2021年は、僕にとって、会社にとって、たくさんのことがあった年でした。
「大変」の一言では片付けられない一年でした。
「いやいや、みんな大変だよ」って言われるかもしれませんが、だいぶカオスでした。

  • 2021年2月:ミャンマーで軍によるクーデターが発生する
  • 2021年4月:軍が弊社ヤンゴンオフィスに乗り込んでくる
  • 2021年9月:ミャンマー事業から撤退を決断する

普通に日本で生活していると、クーデターがどういうことなのかも想像するのは難しいと思います。
15年も通っている床屋で、この話をしましたが、想像できないと言わました。笑

2021年2月 ミャンマーで、軍によるクーデターが発生する

民主国家で軍によるクーデターが起きるとどうるのか。
民主化という制度が覆り、ある日突然、発言・選択の自由を奪われます。

なにが現地で起こっているか。
僕は既にミャンマーには出入りしていませんが、2022年4月現在もミャンマー人の同僚がいて、
毎日、情報を聞いています。

僕が住んでいたサンチャウン地区でも反政府デモがあり、実際に軍による弾圧があり、死傷者も出たようです。
今日までに、約1700人の市民が軍の弾圧で命を落としたと言われています。

正直、ミャンマー人の方々の苦しみ、憎しみは僕には理解できません。
僕に出来るのは話を聞き、一人でも多くの人に伝えることだけです。

2021年4月:弊社ヤンゴンオフィスに軍が乗り込んでくる

それは突然でした。

(ここからは、僕の記憶をもとに記載していく)
Facebookページに”Opengate”の名前があると、前に働いていたミャンマー人スタッフから連絡が弊社の代表にあったのです。そこには、反政府デモに手を貸した疑いがあり、家宅捜索をしたといった内容が記されていたのです。
心配なのはスタッフの安否。

弊社代表が安否の確認や安全の確保をおこなって行きました。

幸いにも、弊社スタッフは当時オフィスにはおらず無事でしたが、
オフィス内で作業をしていた別会社の学生インターン4名と全ての機材が軍に奪われたよう。

彼らの安否は今でもわかっていません。

そして、彼らを雇っていたモンティンダンさんも捕まってしまったのだ。
彼は、日本育ちのミャンマー人で、ちょうど捕まる数ヶ月前に日本で会っていた。

信じられないが、今でも彼は投獄先の刑務所から出られておらず、
投獄から1年が経った2022年の3月31日に3年の実刑判決が言い渡されたそう。

彼の無事を祈るばかりです。

2021年9月:ミャンマー事業から撤退を決断する

その後も、なにが起こるか分からないミャンマーで、安全を守るためにスタッフに疎開してもらったりしながら、
事業を細々と続けていました。
ただ、どうしても理解し合えない問題が日本側と発生してしまい、株式会社オープンゲートはミャンマーから撤退を決断しました。

有事において、「ビジネスと心のバランスを保つのがいかに難しいか」を実感した出来事でした。

また、ドライに判断をしてきた弊社の代表の今までの言葉、行動が全てフラッシュバックした出来事でもありました。

今でもミャンマー人のモーショングラフィックスデザイナー1名は共に仕事を続けており、日々共に汗水垂らして働いています。彼は、コロナ後に入社し2年以上経ちますが、いまだに一度も会ったことないんですよね。
毎日電話やテレビ電話はしますが、会ったことないというのは不思議な感覚です。

僕にとっては、初めてのCo-workerであり、彼のマネージメント含めとてもいい刺激をもらっています。

最後に

ここまで駆け足で書いてみましたが、この2年は戦争とコロナに翻弄された時間でした。
ただ外国人というは、あくまでも外国人なんだなと実感しています。

無論、日本にいる日本人よりかはミャンマー人の気持ちを多く聞いているし、なにが起きているかも聞いている。
関心も高いと思う。

でも、彼らのような怒りや憎しみは持てない。
彼らのように、この惨状を次世代に残さないようにと、武器を持って戦う選択も取れない。

だから、起きていることを伝えていく。
1人でも多くの人に。
それが、僕たち外国人に出来ることだと思います。

そして彼らの可能性を無碍にしないように、機会の提供へ挑戦していくことも止めてはいけないと思いました。

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